『海の狼』

ジャック・ロンドン作。1904年出版。解説によれば、『荒野の呼び声』に続く2作目のベストセラーだったそうです。

主人公の文芸評論家ワイデンは、ある日客船で移動中に衝突事故で遭難し、スクーナー(帆船)のゴースト号に救われ一命をとりとめます。しかし、その船は「狼ラーセン」船長が乗員を虐げながら北太平洋でオットセイ狩りをする地獄船であり、ワイデンは陸に戻されず無理やり乗組員にさせられて・・という、海洋冒険?文学です。

ロンドンは、17歳のとき帆船に漕ぎ手として乗り組み、オットセイ漁をしていたという経験があり、漁や船の精緻な描写は、そういう実体験に基づいています。今の作家にはちょっと描き出すことの出来ない世界が展開されています。

狼ラーセン(実は独学インテリ)というのが、「力が正義、弱さは悪」とうそぶいて人間の獣性を如何なく発揮するような怪物です。その人物造型とディレッタントであるワイデンとの対峙(といっても力技では全然勝負にならないのですが)が読みどころでしょう。

帆船の仕組みがあまりぴんとこないのでもどかしい面がありますが、ストーリーに迫力があれば100年前の小説でもすらすらと読めるものですねー。
by itsumohappy  at 23:46 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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