『人間の土地』

サン=テグジュペリ著(1939年)。

倉庫の片づけが一段落し、整理中に目に付いた図書を読んでいます。薄いからいいか、って思ってまずはこれ。昭和30年の新潮文庫。ぶーぶー紙のカバーがついているだけで、岩波文庫と変わらないような装丁です。古い漢字使っていて、これが読みにくいんだよねぇ>< 小説だと思ったら随筆でした。わりと高尚な文・内容で意外に時間がかかった。堀口大學訳だからかな。

サン=テグジュペリが、郵便輸送の会社でパイロットしていた頃などの思い出を通じて、人間の使命や本質を洞察する内容です。昔の飛行機ですからよく不時着したり事故に遭ったりしています。今と違って、自然と一体となって飛びながら、人間と人間の住む大地をじっくり観察できた。その、昔の飛行気乗りならではの感覚が、風・砂漠・星々・海の描写などから伝わってきます。

人間らしい生き方に関しては、こんな風に語っています。
・・・人間であるということは、とりもなおさず責任をもつことだ。人間であるということは、自分には関係がないと思われるような不幸な出来事に対して忸怩たることだ。人間であるということは、自分の僚友が捷ち得た勝利を誇りとすることだ。

アフリカの「不帰順民」との交流、アルゼンチンでお呼ばれした家庭、「あらゆる財宝を与えられているフランス人」を見て、アラーの神が信じられなくなっているモール人(ムーア人のことかな?)たち、リビア砂漠に墜落して砂漠を彷徨する体験などのお話が印象的でした。

「精神」の風が、粘土の上を吹いてこそ、初めて「人間」は創られる。
最後はこんな文で終わっています。

この作家は有名ですが、星の王子様しか読んだことがなかった。もう一冊、著書があったので、そのうち読んでみましょう。
by itsumohappy  at 00:27 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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