『日本百名山』

深田久弥著。
ほとんど行ったことのない場所の話を読んで面白いのかなぁ?と思って読んでいなかったのですが、とうとう?読みました。意外と面白かった。内容ばかりでなく、文体でしょうか、なんか読ませるものがありました。

「…この山の無尽蔵ぶりは、まだ大部分がアンカットの厖大な書物のようなものである。その分厚な小口を見ながら、これからゆっくり読んでいく楽しい期待がある…」(御嶽)といった表現は、今の書き手にはできないですよね。あと、文にそこはかとないユーモアがあります。朝日岳で一面に咲くエーデルワイスを「牛にでも食わせたいほどの繁茂ぶり」なんて書いています。

山容のみならず、歴史的考察を背景に、山名にすごくこだわっています。「後方羊蹄山」(しりべし山)なんてあるので、前方羊蹄山があるのかと思いました。「羊蹄山」は略した呼び方だそうです。
また、「常念坊」(常念岳)、「尊仏」(丹沢)という言葉を私は現地で見て、何だろう?と思っていましたけど、これらも解説されていました。

全篇を通じ、日本人が昔から名山を畏怖し、山の神々をあがめていたことがよくわかりました。山も叙位されていたなんて知らなかった。で、山が爆発すると鎮めるために位が上がったんですね(鳥海山など)。

この本が出版されたのは1964年ですが、戦前の山登りの様子が書かれていて興味深かったです。尾瀬の小屋付近で「摘んできた行者ニンニクを腹一ぱい」食べたとか、燃えるような「代赭色」の尾瀬ヶ原に感動し、1週間尾瀬にいても他の登山者に会わなかったとか書いています。大正15年頃の話。登山路を探し求める苦労も多かったろうけれど、その辺の草採ったりして楽しみながら(^^;;、喧騒とは無縁のぜいたくな山歩きをしていました。

紹介されている山々で、名前がいいなーと思ったのは、雨飾山、皇海山、瑞牆山。名前を以前からよく知っている山を除き、この本読んで行ってみたいなーと思ったのは五竜岳です。
by itsumohappy  at 22:42 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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