『一市民の反抗』

H・D・ソロー著(1849年)。副題『良心の声に従う自由と権利』。短いエッセーです。
2005年出版(文遊社)の新訳で、原文つき。でも訳文があれば原文は読まないです・・。

訳者によると・・
1846年、ウォールデン湖畔に住んでいたソローは、人頭税の支払いを拒否して逮捕・投獄(といっても1日)された。この出来事に関心を寄せたコンコードの町民に対し、ソローは自分の考え方を説明した。後日雑誌に掲載されたその講演内容が、即ちこのエッセーです。

自らの良心が国の法律を受け入れられないと感じたときは、入牢も覚悟で抵抗すべきである、というのがソローの主張です。ソローは、「奴隷を認める政治組織を、私の政府として認めない。我々には、政府に対する忠誠を拒否し、抵抗する権利がある。」とし、少数派でも全力で束になって多数派の動きを妨げれば、正義と真理への道が開けると語っています。

このソローの思考は、ガンジーやキング牧師の非暴力主義に影響したと解説にあります。また、デンマークでは、ソローは英雄だそうです。第2次大戦中、デンマークの反ナチ運動のなかで『一市民の抵抗』は闘いのためのテキストとして使われました。ユダヤ人は背に黄色い星付きの服を着ろというナチスの命令に対して、国王やデンマーク市民はみな黄色い星を付けて通りを歩いたので、命令は破棄されました。

ソローが政治思想に与えた影響は大きいけれども、政治思想家というには無理がある(訳者)。植物研究に没頭していたソローは、ある日、木株の年輪を数えていて風邪をひいてしまい、それが原因で44歳で亡くなりました。
by itsumohappy  at 23:21 |   |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments

日本語のわかりやすさ

作太郎さん
読んでいて、訳文が気にならなかったので、たぶん自然な日本語になっているのだと思います。英語をざっと見ると一文が比較的長い箇所が多く、読みにくそうにみえますが。訳者(山口晃)は、講演が元テキストであるということで、朗読を勧めています。語りきかす文章なんでしょうね。

近年、古典の新訳が多いですね。岩波文庫の古典の翻訳にうんざりしたことあります。何度訳文を読み返しても意味不明だったりして・・。
by hiro 2009/06/19 23:01  URL [ 編集 ]

翻訳の質

その日本語訳は読みやすかったですか。ぼくはむかし岩波文庫で読みましたが、あれは悪訳だったな。
by 作太郎 2009/06/19 00:28  URL [ 編集 ]
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