『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

大昔、知り合いから「ヘルメットならいっぱいあるから欲しかったらやる」と言われたことがあります。私は学校で震災用のヘルメット持っていたので、そんなもん一個あれば十分だよと思いもらいませんでしたが。それらのヘルメットは、かつての運動家ないし革命家たちの持ち物だったようです。その知り合いの義理の息子にあたる人物は、もとは普通の学生だったのに、その友人がある大学で起きた内ゲバ殺人事件の犠牲になったことをきっかけにけっこうな活動家になってしまい、殺されないよう全国をあちこち逃げまわっていたらしい。そう聞いて、昔の学生は何だかよくわからないことやっていたなぁ。と思いました、今でもなんとなく思います。

で、若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』。これ、190分です。3時間以上も観ていられるのか?とおののきましたが、これが案外観られてしまった。あさま山荘事件はニュース映像や話として知っているだけです。あさま山荘へ至るまでに起きた凄惨なエピソードの数々を中心に、冒頭には、安保闘争等から始まる騒乱の時代の様相をニュース映像も交えて今の人にもわかるように構成しています。運動家は、関西系のほうが過激だったんですねぇ。反権力の伝統でしょうか。

映画は、共産主義化の達成に向け、政治権力との殲滅戦に備えインター歌いながら山中で軍事訓練し、反革命的行いを犯したものには鍛えなおすために自己批判させるという部分に最も力を入れています。丁寧に演出すればするほど彼らの異常性が痛々しいくらい伝わってくる。この人たち、本当に本気だったのね・・・。みたいな。テロで万民が団結して世界平和が達成されるわけないと普通思いますが。このスターリン主義者!といって仲間を処刑していくんです、矛盾以外の何ものでもない。若松監督は当時の革命家たちのシンパだったと思われますが、彼らの限界を容赦なく描き出しています。

最後の最後、あさま山荘の水攻めの中で、割り当て食料以外のクッキーを勝手に食べた行為に対し、「自己批判せよ!」と仲間が迫るシーンには何だか笑ってしまいます。
「俺たちは勇気がなかったんだ!!」とラストで絶叫する加藤三兄弟の末弟、子供ながらなかなか印象的な演技。俳優たちはあまり知られていない人々を使っているようです。昔の服を着ても雰囲気はどことなく今風でした。
あまり人にお勧めするような内容の映画ではないですが、迫力あってよくできていると思いました。監督は、自分の別荘を使ってラストを撮影したそうですから意気込みが違うんでしょう。
by itsumohappy  at 23:53 |  映画 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments

No title

るーすかやさん
おツトメ・・・ 活躍されていたんですね><

知り合いの息子は昔、一度だけ見たことがありますが、
色白の優男で、とても闘士とはほど遠い感じでした。
おツトメには至らなかったみたいですが、本当のお勤めと
いいますか、普通の企業への就職は難しかったみたいです。
by hiro 2009/04/30 22:26  URL [ 編集 ]

近所に元関係者で、いわゆるおツトメを終えられた方がいます。
亡父の同窓の方々とも近しい人ですのでスーパーで会えば挨拶くらいかわします。おツトメ終えて引越してきた数年前は色々あったみたいですが、今は地域にすっかり溶け込んでいます。至って普通のおじさんなんですが、TVにたまに出てると不思議な感覚ですね。
by おロシア人 2009/04/30 20:26  URL [ 編集 ]
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