『大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清』 

松元崇著。著者は、「内閣府政策統括官」というけっこう偉いんであろう官僚です。私は、財政も金融も理解していないので、以下は、ざっと読んだところのかなーり適当な感想です。

このタイトルを見ると、高橋是清のドラマチックな生涯のノンフィクションか?と思うけれどもそうではありません。高橋是清のことはもちろん出てくるけれど、誤解を招くタイトルです。読後感を一言で言えば、エリートの書いた何だかよくわからない本、ですかねぇ。

通史(近代日本の財政金融史)か金融恐慌対策か高橋是清の話かどれかに特化してほしいと思った。なんというか、バランスがわるいのです。財政・金融面から見た近代日本史の部分は面白いです。「秩禄処分」、「銀行条例」、「松方デフレ」等々、かつて歴史の授業で言葉だけはお馴染みである事象を解説しています。我が国が、近代のはじめから財政面で苦難続きだったことがわかります。今と決定的に異なるのは、戦費の問題ですね。明治30年、歳出の50%が軍事費だったそうです。戊辰・日清・日露戦争から太平洋戦争まで昔は戦争ばっかりだった。

仕組みがよくわからないけど戦前の経済史でたぶん欠かせないトピックが「金本位制」。金本位制の採用がすなわち一流国の証であり、国際的な投資の際の判断材料だった、とあります。(たぶん私には金本位制のトピックだけで本が一冊必要だ><) 

こういう、著者の専門であろう財政の話は、予算書など客観的なデータもあわせて詳述されています。ただ、時代背景の説明を、いまひとつな文献(と私には思える)の引用で行っているところがヘンだと感じました。全体として、学術本という感じでもないし、どんな読者を想定したのかなぁ。
by itsumohappy  at 22:51 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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