『反貧困』 

湯浅誠著。副題「すべり台社会」からの脱出、です。(岩波新書)
著者は、貧困状態に置かれた人の生活相談等を行っている、自立生活サポートセンター「もやい」の事務局長です。今急速に進んでいる貧困化問題の構造的な要因を探り、人々の連帯と公的な解決・支援策を訴える内容の本です。

雇用、社会保険、公的扶助の三層のネットは、非正規労働者にとってはワンセットであり、雇用のネットからいったん落ちてしまうと次の層には引っかからずに一気にどん底まで行ってしまう-そんな社会を著者は「すべり台社会」とであると指摘し、すべり台の途中に歯止めを立てる、溜めを増やすことが今必要、と主張しています。

現在、最低生活費以下の貧困状態で暮らす人々がどれくらいか、公的な数字はないらしい。政府は貧困問題を認めたがらないうえ、社会も「自己責任論」で片付けるふしがあり、貧困が「見えない」問題となっている。すべり台社会の加速化は、貧困の世代間連鎖にもつながっており、もはや社会全体として取組まなければならない課題であるとも記しています。

私はこの本で初めて知ったのですが、人材派遣業者から取引先に派遣される労働者の賃金は、会社の経理上、「人件費」ではなく「資材調達費」などに分類されるのだそうです。
「人間的な諸権利を行使できなくなった日雇い派遣労働者に対し、企業サイドは貪欲に利潤を追求する」とありますが、今まさにそういう実態を連日見ているような感じです。

マスコミは、大手メーカーなどは内部留保を溜め込んでいるのに、非正規労働者をまっさきに放り出しているなどと糾弾していますが、私企業の論理では「お金が大事だよ~」ってとこなんでしょう。で、今のご時勢ではますますその傾向は強まるでしょう。

今、「国の形」が問われている、と著者は訴えます。規制緩和をするだけでは片手おちだった。今こそ政治が何とかする時!でありますが、みぞーゆーとか言っている総理大臣は、何か抜本的な対策を考えているでしょうか。
by itsumohappy  at 23:58 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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