『サラの鍵』

タチアナ・ド・ロネ作(2010年)。
ドイツ占領下のフランスでは、フランスの警察、或いは市民がユダヤ人検挙にかかわっていました。大昔、C・ルルーシュの映画でそんなテーマのがありました(『遠い日の家族』)。収容所からただ一人生還した女性が自分たちを密告した者を追い、真相を知るという大変後味のわるい作品でしたが、これを読みながらその映画を思い出しました。

この小説は、表題のサラの一家と、その一家の行方をたどる現代フランスのジャーナリスト(米国人の設定)の話が交錯する仕立てになっています。実話に基づいているわけではないが、こんなことがあっても不思議ではなさそう。過去と現在の描写が行き来するうち、ある接点が明らかになり、謎が解かれていきます。

内容が内容だけに、気分が暗くなります‥展開はまあ読めます。まじめな姿勢の小説で、小説として楽しめる(楽しくないけれども)けど、ちぐはぐした違和感というか、はめこんだような印象というか、何となくしっくりこないのは、どうしてだろう‥。現代の作家が、ユダヤ人虐殺の悲劇をノンフィクションではなく描くことの限界かなぁ。
by itsumohappy  at 20:57 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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