『昭和の犬』

姫野カオルコ作(2013年)。
初めて読む作家です。「犬」の言葉に弱いので、つい手がのびました。
「三丁目の夕日」的といいますか、ある時代に生まれた人なら、ああ、こんなことあったなぁとちょっと思い出にひたれるようなお話。作者はこの本を「昭和33年に生まれた主人公の5歳から49歳まで、各々の時期にあった何気ない出来事を、遠い風景画のように描いた話」と述べています。
1955~65年位に生まれた読者なら「何気ない出来事」のいくつかは覚えがあるかな。 私も「二段ベッド」がうらやましかったのを思い出しました。

「昭和の犬」というだけでイメージが出てきます。昔の家は、うちの田舎がそうでしたが、どっかからもらってきた雑種を放し飼いしており、犬は日中、勝手に家を出て街中をふらふら歩いていました。
「ラッシー」がはやった時は、コリーが人気でしたし、なぜかスピッツがもてはやされた頃もありました。「昭和の猫」じゃ、ぴんときませんね。

全く世代が合わない方々にとって、この本はどうなのか?微妙なところはあるでしょうが、素直に語られているのでお話としてそれなりに読めるとは思います。
ただ、そのような方々向けに、
<名画座:レンタルヴィデオが普及するまで、古い映画は名画座で見るしかなかった>
<雨降り画面の映画:フィルム劣化で雨が降っているように見える古い映画のことをかつてこう呼んだ>
みたいな注釈が入ります。私には、かなり興ざめでしたが(--;

懐古趣味で狭い世界と思いつつも、結局のところ、この本を読めたのは、昔の出来事を多少知っていたことのほか、声が小さく、他人と接するのが苦手な主人公、戦争を引きずる父、散歩犬との楽しい出会い等々、私自身のことと重なる点があったからかなあ。派手なことは何もないけど「今日まで、私の人生は恵まれていた」とつぶやくところにも共感しました。

by itsumohappy  at 23:24 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

最近のコメント
リンク
このブログをリンクに追加する
カテゴリー
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

RSSフィード
最近のトラックバック