『反知性主義』

ここ数か月、読んだ本の感想文がおっつかないです(^^; もう今年もどん詰まりなので、広告その他でよく目にしたものから書いていこうと思います。

森本あんり著(2015年)。副題「アメリカが生んだ「熱病」の正体」。著者は、牧師で、国際基督教大学教授です。

「反知性主義」(anti-intellectualism)。わかるようなわからないような言葉です。この本を読んでも、もうひとつしっくりときません。
「反知性主義」は、リチャード・ホフスタッターという学者の著書『アメリカの反知性主義』(1963年)で登場しました。1952年の大統領選挙を背景に生まれたそうです。この選挙では、知的には凡庸とみなされていたアイゼンハワーが勝利しました。
今日のアメリカでも大統領には知的エリートは歓迎されない風潮があるようです。

反知性主義の歴史はアメリカのキリスト教史をたどること、ということで、アメリカでは、ピューリタニズムの極端な知性主義への反動から、素朴で謙虚な信仰に回帰せよ、という信仰復興(リバイバル)が周期的に起きていた歴史が説明されています。

知性そのものへの反感ではなく、知性が特権階級の独占となり、政治の場など専門外の領域で権威としてふるまうことへの反感、が反知性主義です。ハーバード大学そのものがわるいのではなく、ハーバード(のような)出身者ばかりが権力を握れば、「知性の越権行為」です。

アメリカでは、宗教的な平等理念と経済的な実用主義が結びついているのが特徴です。神の前には教育のあるなしに関係なく平等であり、信仰の義務を果たせば現生的な利益が得られるというものです。
ただ、平等なのはスタート時点。平等なチャンスが与えられればよい、という考え方のようです。

著者によると、反知性主義的人物としてぴったりくる日本人はイメージしにくいらしい。近いと思われるのは、昔なら空海や親鸞など革命的な仏教者、現代ならホリエモンやソフトバンクの孫さんとか。何でも、反知性主義は強力な知性主義があってこそ生まれるわけで、半知性主義的な日本ではどうなのか云々と解説されていました。
by itsumohappy  at 22:30 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

最近のコメント
リンク
このブログをリンクに追加する
カテゴリー
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

RSSフィード
最近のトラックバック