『ニッポン景観論』 

アレックス・カー著(2014年)。
東洋文化研究者である著者は、京都、奈良、徳島などで古民家を再生し、滞在型観光を推進する活動を行ってきました。

著者によると、21世紀の基幹産業は観光だが、「日本は景観と観光業に関しては半世紀前の仕組みそのまま」。いっときの土木工事で終わってしまう公共事業の在り方はもう遅れている。整備工事でも、電線を埋設するとか景観保全を念頭に入れた事業をすれば、経済活動の幅が広がると主張しています。

白川郷は、大型駐車場ができて従来の良さが薄れてしまったといいます。便利なところに駐車場を安易に作るのではなく、景観に配慮した方法をもっと検討するべきではないか。また、京都の街中でも、中心は景観を保護し、離れたエリアでは自由開発を認めるといった、めりはりある都市計画をすれば、古い街並みがもっと残されたのではないか。日本の美しい自然と文化的なたたずまいを再認識するべきと訴えています。

また、この本には、日本各地で見られる巨大な鉄塔、電線の錯綜、看板の乱立、コンクリート護岸、杉林を植林した山々など、著者が撮った写真がたくさん載っています。
たしかに、山へ行くと、道中、道路や治山治水にお金かかっているなあと思うことが多いです。間伐されていない暗い植林地帯を普通に見かけます。

先日、京都へ行ったとき、西陣の通りを歩いたのですが、ぽつぽつと町家はあるけれども、全体としては普通の通りで、さほど風情がなかった。よく調べれば、路地の奥の奥にすてきな空間があるんでしょうか。京都の観光地で、景観への配慮が感じられたのは鞍馬山です。ケーブルで上がったところの社殿付近では、お寺の人に聞かないと見えないような建物の陰に自販機がひとつあるだけ。境内にも宝物館にも置いていませんでした。土産店のようなものもなかった。こういうのは珍しいです。
都内の街では丸の内仲通り付近がすっきりしています。ここから皇居手前までの一帯は、まあ、特殊な所ではありますが、都会の美しさがあります。
by itsumohappy  at 21:43 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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