『雲の墓標』

阿川弘之作(1958年)。
先日亡くなった阿川氏の著作をはじめて読みました。『井上成美』も、棚の見えるところにありましたが、そちらはハードカバーの厚い本だったので、すぐ読めそうなこちらにしてみました。

主人公とその仲間たちは、京大で万葉集の勉強をしていましたが、学徒出陣して海軍予備学生となります。少尉候補生として航空隊で飛行訓練を受け、任官し、突撃するまでのおよそ1年半の日々を、日記の形で淡々と著しています。

そもそも、出征のありかたというのか、どういう形で陸・海軍の兵隊、士官になるのかよく知らないです…(--)。将校は、士官学校なり兵学校を出れば当然なるのかな?とは思いますが。

この本でわかるのは、海軍ならば、兵学校出の士官を温存?するため、学徒を促成士官にし、より危険な任務に先に当たらせた、ということです。後ろの解説で、安岡章太郎が、特攻隊に使われるのは学生上がりの飛行将校、と当時言われていたと書いています。そして、予備学生と予科練のやり方は欺瞞であったとも記しています。

上官たちに日々やたら殴られ、1年かそこいらの「飛行訓練」で突撃。その訓練も、燃料不足でまともにできず、燃料も質の悪い危険な「亜号燃料」というものでした。飛行機そのものも片っ端から爆撃で無くなる。

本を読めば、当時はこういう世の中だったと知ることはできますが、全然理解できないし、当然ぴんときません。しかたありません。ただ、かつて国が、国民を惨めな生活、惨めな死に追いやったことを忘れてはならないと思うのみです。
by itsumohappy  at 18:09 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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