『獣人』

エミール・ゾラ作(1890年)。
一度見ると忘れないタイトルです。"La Bête Humaine"、なので、多分そのまんまの訳ですね。読もうにも機会がなかったのですが、先日、倉庫の奥から下巻だけ出てきた。上巻を探すのに疲れて、古本屋さんで買い、読み始めました。1953年出版の古い訳で、漢字も古くすらすらと字面を追えません‥。「媾曳」がわからなかった。前後の文脈で判断しましたが。

誰が「獣人」なのかな?と思いつつ、読み進めました。本来の読み物、小説としての面白さがあります。舞台設定として、全体にわたって鉄道が重要なモチーフになっており、当時はより斬新さがあったことでしょう。

主要人物ジャックは、『居酒屋』(1877)のジェルヴェーズの息子、エティエンヌの兄の設定となっていますが、『居酒屋』には登場しません。『獣人』執筆に当たり、後からジャックを創ったとのことです。
登場人物が実に多彩です。また、ずいぶん取材したのでしょう、駅や蒸気機関車の描写が生き生きとしています。
嫉妬、欲望、また欲望の中でも「人を殺してみたい」という特異な感覚まで登場し、どろどろ感満載です。基本的に、人の感情のありよう(この本の場合はマイナス面ばかりですが)が主体の小説は、古くならないですね。
by itsumohappy  at 23:19 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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