『修理屋』

バーナード・マラマッド作(1966年)。
原題“The Fixer”です。闇社会の話かな?と思って読み始めましたが、全然違った(--; 10ページ読まないうちに物語に引き込まれます。実際に起きた事件を題材にしています。

20世紀はじめの帝政末期のロシア。主にキエフが舞台です。読みながら、ストーリーも深刻さも違えど、何となく映画『屋根の上のヴァイオリン弾き』を思い出しました。

『修理屋』のテーマは、シンプルに言えば、無実の罪に陥れられたユダヤ人の死闘です。「呪われた種族」と言及されているユダヤ民族が、具体的にどういう扱いを受けてきたのか、その一端がよく伺えます。かすかな希望を持ちつつも、これでもか、これでもかと無情に降ってくる災難(と言う言葉では軽すぎますが)に翻弄される主人公の姿を、どう表現したらよいのでしょうか、適当な言葉が見つかりません。非常に打ちのめされる小説です。

また、この小説は、ユダヤ人の悲劇そのものばかりではなく、体制に抑圧されたロシア人たちや、民を全く救ってくれない神への信仰の問題などにも触れており、深く考えさせられます。
久しぶりにずしんとくる小説でした。
by itsumohappy  at 18:09 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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