『サルガッソーの広い海』

ジーン・リース作(1966年)。
池澤夏樹編集の世界文学全集より。はじめ、一緒に収められているウルフ『灯台へ』を読んでいたのですが、はじめの数ページで投げ出し(^^;、後ろにあったこちらの作品を読みました。

著者は、1890年イギリスの植民地、西インドのドミニカ生まれ。17歳の時に渡英しました。植民地出身者は英国本土では「二級市民」扱いで、学校で西インドの子といじめられたそうです。執筆活動を始めたのは1930年代初頭ですが、戦争のほか、自身の貧困・アルコール依存・逮捕/収監歴など様々な不運により、作家としての地位を確保しかけては消息不明になるなど波乱に満ちた生涯を送りました。『サルガッソーの広い海』を完成させたのは76歳の時です。最晩年、88歳で大英帝国勲章を受章しました。

この本の紹介コピーは、「植民地に生きる人間の生の葛藤を浮き彫りにした愛と狂気の物語」で、まあ実際そうなんですけれども、かなりおどろおどろしいお話です。英国と植民地との関係や双方の社会における階級意識が重要な背景となっています。さすがに異文化、風土の描写は現実感があり、熱が伝わってきます。

文章の主体が時折変化するので、ちょっと読みにくい。この翻訳はうまくいっているのだろうか?とも思います。原文がわからないので何とも言えませんが。
お話としましては、この作家ならではの特異なものを読んだという感じです。狂乱場面が際立っています(--)(--) 小説の迫力は、やはり頭で考えたものからは出てこないですねー
ブロンテ『ジェイン・エア』を読んでいると、より興味深く読める小説です。
by itsumohappy  at 16:20 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

最近のコメント
リンク
このブログをリンクに追加する
カテゴリー
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

RSSフィード
最近のトラックバック