『20世紀アメリカ短篇選』上・下巻

上巻は20世紀前半、下巻は後半の作品で、テーマは、移民・フロンティアの消滅・貧富の差・労働運動・人種問題・近未来社会などです。1999年刊。

訳者によれば、主にモダニズムとモダニズムの延長作品(ポストモダン)を集めたとのこと。そして、自由で豊かなはずのアメリカ社会は、人間の精神に新しい目標や活力を与えず、第2次大戦後の作家の主題は「アイデンティティを喪失した苦悩の表白」となっており、80年代以降アメリカには注目すべき文学作品は登場していないと分析しています。

リアリズム主体という上巻のほうが、文字通り自然で面白かったです。やはり感情の発露・流れを素直に描いた「物語」でないと読んでいて落ち着きません(これは好みの問題)。下巻は、奇をてらい気味の話が多いかな。

オー・ヘンリー『平安の衣』、ジャック・ロンドン『生命の法則』のように、独特の味わい深さを感じられるものが好きです。
短編小説としての読み応え、ストーリーの面白さで言えばウォートン『ローマ熱』が際立っています。ぼけーっと読んでいたら、いきなり最後にごん!とやられて、思わず読み直してしまいました。
カポーティ『ミリアム』は、異様な気味悪さで印象に残りました。
by itsumohappy  at 16:05 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

最近のコメント
リンク
このブログをリンクに追加する
カテゴリー
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

RSSフィード
最近のトラックバック