『戦争を取材する』

山本美香著(2011年)。副題「子供たちは何を体験したのか」。講談社の小学生向きノンフィクション「世の中への扉」シリーズの1つです。
すずやかな目をした著者は、先だってシリアで殉職しました。

著者は、新聞記者であった父親の影響で報道記者を志し、やがて紛争地での取材を始めたものの、無力感にとらわれることがあったようです。しかしながら、アフガニスタンの診療所で、息子を亡くした父親から、「遠くまで来てくれてありがとう、世界中から忘れられていると思っていた」との言葉で、紛争地に来たことに意味を見出し、ジャーナリストの仕事に全力を注ぐ決心をしたそうです。

アフガニスタン、コソボ、ウガンダ、チェチェン、イラク、アルジェリア等々での取材経験を紹介しながら、世の中では、誰にも知られぬまま何万もの人たちが死んでいるのを知らないのは罪だと思える、戦争って何だろうと考えてほしい、実態を知ってほしいと訴えています。

読者と同じような年頃の子どもたちが、地雷で手足をなくしたり、誘拐されて兵士にされたり、孤児同士で廃墟をさまよいながら生き延びたりしている様子を写真つきでわかりやすく解説しています。たゆまぬ努力を続けなければ平和な世界はあっというまに失われてしまう。戦争のない平和な国づくりには、国と国の心の距離を縮める努力が大切と説きます。
恵まれた者たちは、想像力を働かせ、戦争にまきこまれて苦しむ人々を救うことを考えなければならない。そんなメッセージがこめられていると思います。
by itsumohappy  at 23:52 |   |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments

いたましい。

作太郎さん
今日の報道によれば、政権側民兵による外国人狙い撃ちであると。政府はシリアに抗議すべきですね。竹島ばっかり騒いでいないで。
by hiro 2012/08/25 22:24  URL [ 編集 ]

報道フォトグラファー

胸の痛む事件です。自分自身の経験と照らし合わせて、「罪」という言葉に共感いたします。
by 作 2012/08/24 22:38  URL [ 編集 ]
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