『入れ札』ほか

菊池寛の短編をいくつか読みました。『勝負事』、『三浦右衛門の最後』、『忠直卿行状記』、『藤十郎の恋』、『島原心中』、『仇討三態』、『大島が出来る話』、『若杉裁判長』です。菊池寛、『父帰る』とか、昔教科書に出ていた短編を読んで以来かも。あ、『真珠夫人』は読んだな(^^;

少し前の文藝春秋に、松本清張の菊池寛に関する講演が出ていました。
苦労人の菊池寛は、人生の悲喜こもごもを経験し、それが小説にも反映されている。そんな菊池は、漱石の『こヽろ』を、頭で考えた小説であると批判した。また、芥川には生活から出た経験がなく、次第に才能が枯渇して衰弱した。 
・・といった内容です。

たしかに、『大島が出来る話』など読むと、人生の悲哀が感じられます。O・ヘンリとかチェホフのお話を思い出します。菊池は、自分の身辺のことをそのまま生で書かないで、ほかの題材にすりかえて、より効果的に書く才能があったそうです。

『入れ札』は、落ちぶれた国定忠治が、最後に子分を入れ札(互選)で選ぶという話です。自分の名前を書いてはいけないのに、書いてしまった古株の子分が味わう屈辱。これは、実際に文藝家協会の理事の互選で起きた事件をもとに書かれたとか。長老(でも落ち目)の作家が、後輩の新進作家に理事の席を奪われそうになり、自分の名前を書き、そしてそれがあとでわかってしまった・・という事件です。

菊池は、他にもたくさん短編書いています。青空文庫でも読めるし、ちょっとした時間に楽しめそうです。『忠直卿行状記』のような歴史ものも味わいがあります。
by itsumohappy  at 23:55 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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