『名人』

川端康成著。
第21世本因坊秀哉名人と大竹7段(木谷實7段)との手合いの模様(昭和13年)を記した小説です。といってもほとんどノンフィクションみたいな感じです。川端氏は、名人の引退碁であるこの手合いのルポを新聞に載せていたんですね。この名人は、旧時代最後の第一人者で、30年間黒を持ったことがない「不敗の名人」だったそうです。といっても、昔は、名人になると稽古はしても手合いは避けたそうですが。

名人が病気がちで休むので、なんと、この一局には半年かかっています。持ち時間は40時間、14回打ち継がれた。5手くらいで1日が終わってしまったとか、長考3時間半とかすごいです。新時代にふさわしく、規則に沿って対等な条件のもとに手合いを行えるよう周りはお膳立てするも、名人は昔流に気ままで、気分や体調で対局日を変えさせるような調子です。それで、30以上若い7段はひんぱんにぶちきれてしまうのですが、川端氏もふくめ周囲がいろんな形でなだめすかして何とか打ち継がせる。途中、7段の封じ手が異様だったため、名局を作りそこなったと名人が怒るあたりも印象的です。

この引退碁の棋譜がついていて、川端氏の観戦ルポと照らしあわせられますが、9路盤がやっとこさできる程度の私には、白130が敗着なりと説明されても、うむむ・・?ですのでちょっと残念。それでも意外に面白かった。名人が命をかけた勝負です。碁に詳しい人ならより楽しめるお話です。
by itsumohappy  at 22:35 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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