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『ブラック・ボーイ』

リチャード・ライト作(1945年)。副題「ある幼少期の記録」。
自身の自伝的小説です。1908年、ミシシッピーの農場で生まれたライトが、19歳で南部を脱出するところまでが描かれています。
ライト少年は、家に下宿していた黒人教師から『青髭と七人の妻』の語りを聞き、物語の世界に魅了され、小説、芸術に没頭します。しかし、周囲は常に白人による暴力の脅威に満ちており、「十全に自分自身となることを許されない」。緊張、恐怖、屈辱感から逃れ、より豊かな生き方を目指すため旅立ちます。

人間らしく生きたい、という話は読んでいて暗い気持ちになりそうですが、意外に楽しく読めます。少年時代のエピソードが面白い。悲惨な南部の描写ばかりではなく、黒人社会の頑迷さにも言及しています。
by itsumohappy  at 20:30 |   |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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